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スピードの概念

何事もスピードが大切。

それは若い頃も、そして今も変わらず思っているのですが

歳を重ね、少しだけ『スピードにたいする概念』が変わりました。


例えば、人の3倍のスピードで1日を駆け抜ける。

若い頃はそれが美学だと思っていた時期があったのですが、


ある日、気付いたのです。


早く走る事によって、見落としている景色がある事に。


周りの景色を眺める余裕を見失い。足元の花をも踏み潰していた事に。


スピードは大切。でも、その中では気付けない、見落としてしまう大切な何かもある。


私は犬が好きなんですが、時々忘れてしまうのです。

犬達の「スピードの概念」を。


仕事がら、有り難いことに時々講師をさせていただく際、私はこんな話を最後にします。


『人の1日は、犬にとっては7日間』

『人が迎えた今年の春は、犬にとって7回(年)分の春』


人と犬、動物では命のスピードの概念が違うのです。


毎日会う犬がなぜあんなに喜ぶのか?

それは、人にとっては1日でも、犬にとっては7日分だからなんです。


人はつい、「スピードの概念」を自身の物差しではかってしまう。


しかし、違うのです。


人も動物も。そして人と人も。


今日。という1日は、時に1週間であり、1ヵ月であり1年であり10年である。

だから思うのです。


「ありがとう」「大好きだよ」。その一言を、今日1日の思いでくちに出すのではなく

また、明日も伝えられると思うのではなく、

1週間分の1ヶ月分の、1年分の、10年分の想いを込めて。伝えるべきだと。


また会える。ではなく、これが最後かもしれない。と。

いつもそんな気持ちで「本気」で生きていたいと。


『今日も皆さんの周りに幸せがたくさん沢山訪れますように』